テレビ「バス通り裏」テーマソング

1958年4月から平日の夜19:15~19:30にNHK総合テレビで連続テレビドラマ「バス通り裏」放送が始まりました。このテーマソングを始め、バックの音楽を服部正が担当しましたが、このドラマも好評で1963年3月まで続き合計「1395回」の放映をされたとのことです。
このテーマソングは当時は相当評判になったらしく、テレビを付けていた家庭ではこの曲が流れると「あっ、7時15分だ!」という時計代わりにもなっていた、との話も残っています。いまだにカラオケ等での利用が僅かではありますが続いており、当時若かった会社員やそのご家族が懐かしんでお聞きになっているのではと思います。

当資料館に残された譜面はそのすべてが存在していませんが、相当数の譜面が残っております。また、レコードも残っておりました。ここには有名なテーマソングとそのレコードをご紹介します。

バス通り裏テーマ01 バス通り裏レコード01

「お話でてこい」や「ヤン坊ニン坊トン坊」の曲の所でも書きましたが、とにかく毎週複数回の番組のためにまとめて作曲して納品しており、いちいち納品物の作曲日時を記載せず「第○○回」という数字が書いてある程度でいったい何時の物か詳細が分かりません。譜面によっては表紙に鉛筆で「○月○日、△△氏」という納品先と日程を書いてあるものもありましたが、肝心な「年」が欠落しており、さらに「1400回」近くも放映されたにしては譜面の数がそれほどではなく、消失したのか放送局から返ってこなかったのかも不明です。
整理の時に多少役立ったのはNHKが受け取った際のスタンプに通し番号がついており、それによって譜面の作られた前後関係だけは分かりました。(今から思うと、そのスタンプに日付印が付いていれば本当に助かりましたが、、、)

ちなみに、この番組は1961年に「文芸、映画など様々な分野において功績をあげた個人、団体を表彰する『菊池寛賞』」を受賞したとのことです。この『菊池寛賞』は現在でも続いており、例えば個人では2014年に「タモリ」、2015年には「吉永小百合」、番組では2006年に「徹子の部屋」が受賞されておりました。

最近学校の校歌等のお届けに伺い先方の幹部の方とお話する際、服部正の代表作で比較的名が通っている曲としてラジオ体操以外でご存知なのがこの曲がギリギリの線で、これよりも古い曲となるとさすがにご存知ない世代になりつつあります。もう少しするとこの番組自体も遠い過去の作品となってしまいそうですね。