生まれ変わった作品!

2024年4月17日 銀座のど真ん中に降り立ち、コロナから一変した外国人観光客がひしめく通りを歩きました。目指す「王子ホール」に着き、チケットを持って演奏会場に入場。

先日当館でご案内いたしました「肝付兼美マンドリンセレナーデ」の演奏会にお邪魔してきました。
ロバート・ライカー氏の指揮による「東京シンフォニア」の定期的に行われる演奏会で「マンドリン」をフューチャーしたコンサートでした。

演奏曲目はヴィヴァルディのシンフォニアから始まり、その後肝付氏の入場、まずヴィヴァルディのマンドリン協奏曲。聞きなれたヴィヴァルディの音色が会場全体を覆い特に弦楽合奏の美しいアンサンブルの中でマンドリンの音色がきれいに響いてました。

そして服部正の作品「2つのマンドリンのための協奏曲」を指揮者のロバート・ライカー氏の編曲で「マンドリンとヴァイオリンのための協奏曲」に化粧替えをして演奏されました。

これがびっくりするほどの変貌でした。

まず、弦楽合奏でこの曲をやった時に音量バランス、特にソロの片方がヴァイオリンの場合はどうなるかをちょっと心配していましたが、これが全くの杞憂となりました。肝付氏のマンドリンにヴァイオリンソロの方もきちっと呼応し弦楽アンサンブルも絶妙なバランスで応え、この曲を今まで「撥弦楽器だけのアンサンブル」で聞いていた印象と全く変わった素晴らしい作品に生まれ変わりました。
後半は「スピネッリ」「ラニエーリ」というちょっと聞きなれない作曲家の作品で、ソリストにかなりの超絶技巧を要求される場面もありましたが見事に演奏されました。

コンサート終了後は出演者とのささやかなシャンペンパーティがホワイエで行われましたが、ライカー氏にも御礼のご挨拶ができ、服部正の作品のソロをしていただいた東京シンフォニアの内山知子氏にもお話が出来ました。(肝心の肝付氏には長蛇の列ができており、小生も予定があったので「あとでメールするよ!」と脇から大声で声をかけ、肝付氏もニコッと相槌を打っていただけました!)

この演奏は後日オンライン配信(有料)もされるそうなのでご来場いただけなかった皆様も是非ご視聴いただければと存じます。
https://seasideclassics.zaiko.io/e/tokyosinfonia0417

最後に服部正の作品を見事に編曲し、素晴らしい演奏をしていただいたロバート・ライカー氏、素敵な合奏を繰り広げていただいた東京シンフォニアの皆さん、そしてこの演奏会のプロデュースをしていただいた慶應義塾マンドリンクラブOBの澤井廣喜様、そして何より今回の主役、肝付兼美様に対し心より感謝の意を表したいと存じます。ありがとうございました。

「手古奈」の論文入手!

この度大変貴重で有難い論文を頂戴致しました。それは服部正のオペラ「手古奈」に関する論文で、武蔵野音楽大学院の井上明代氏が執筆した「青少年のためのオペラ「手古奈」「真間の手古奈」の特異性」と題した修士論文でした。

昨年の4月のGWの前頃、当資料館に一通の問い合わせがあり、「手古奈に関する情報が欲しい」という事でした。

聞くところによると井上氏は音楽大学で声楽を専攻されていましたが、ご実家のすぐそばに「市川 手古奈霊堂」があり「是非この題材にて修士論文を書き上げたい」との事で、資料館としても全面的に協力する事に致しました。

手古奈の直筆譜、当時の出版楽譜等可能な限り貸し出し、ヒアリングにも応じ、少しでも論文執筆のご支援をさせて頂きましたが、このほど無事提出されたとの事で、こちらにも論文のコピーを頂戴する事が出来ました。

戦前、戦後のクラシック音楽界、特にオペラの面からの状況に始まり、学校教育の面からも当時の文部省の指導等に深堀をされ、さらには「手古奈」と「真間の手古奈」の音楽面での違いについても音楽大学大学院生としての視点で突っ込んだ分析をされております。当然ながらオペラ「手古奈」に関する論文としては本邦初であり大変意義があるものと拝謁させて頂きました。

聞くところによりますと本論文は「学内扱い」となっており一般には公開されないそうですが、もしお問合せがあった場合は資料館経由で必要部分等の対応で井上氏に取り次ぐことにしたいと存じます。(ご本人にもご了解を頂きお名前を公表しております。)

本論文の結論の一下りのみご紹介させて頂きます。

「手古奈」は大勢で上演するオペラであり、服部正の言葉から明らかになった「集団で音楽をする」という彼の音楽の原点が「手古奈」の作曲に大いに反映されたと考えられる。

井上様、本当に素晴らしい論文ありがとうございました。
服部正も天国で喜んでいると思います。

服部 正のマンドリン作品を弦楽合奏と共に演奏!

「東京シンフォニア」という「銀座 王子ホール」を拠点に活動されている弦楽合奏団の演奏会で、慶応義塾マンドリンクラブ卒業で現在青葉マンドリン教室主宰されている「肝付兼美氏」をソリストに「Mandolin Serenade」と銘打って演奏会をされる事となりました。

そこでヴィヴァルディやラニエーリ等の他、服部正の「2つのマンドリンとピアノのための協奏曲」を同楽団創設者のロバート・ライカー氏が「マンドリン、ヴァイオリンと弦楽合奏のための協奏曲」として編曲頂き、披露して頂く事となりました。
服部正のマンドリン作品がヴァイオリン等の弦楽合奏で共演することはほとんど無かったので画期的な事として資料館としても全面的に応援しております。

肝付氏より演奏会詳細を頂戴致しましたのでご案内させて頂きます。

出演:肝付 兼美(マンドリン)
   ロバート・ライカー指揮 東京シンフォニア
   (プロデュース:澤井廣喜)

日時:2024年4月17日 (水) 18:30開場 19:00開演
場所:王子ホール(東京・銀座)

[第1部]
 シンフォニア ト長調:A.ヴィヴァルディ
 マンドリン協奏曲 ハ長調:A.ヴィヴァルディ
 マンドリンとヴァイオリンの為の協奏曲:         
  服部 正/ライカー編曲
 (原曲:二つのマンドリンとピアノの為の協奏曲)
[第2部]
 オペラ[南の港にて]~独奏マンドリンを伴う間奏曲:
  N.スピネッリ
 マンドリン協奏曲ニ長調:S.ラニエーリ

入場料:1名:5,500円 2名以上:各5,000円
    学生:1,000円[全席自由席]

*本公演はオンライン配信(5/1(水)00:00
 -5/31(金)23:59)も予定しています。1,000円
https://seasideclassics.zaiko.io/e/tokyosinfonia0417

ご予約/お問合せ:
青葉マンドリン教室事業部E-mail:pxw11541@nifty.ne.jp

東京シンフォニア URL https://www.tokyosinfonia.com/

服部正の戦後直後の放送が再現

皆様 新年を迎え改めまして今年も宜しくお願い致します。

新年早々能登半島大地震や羽田空港での航空機事故等大変物騒な三が日となってしまいました。

昨年来当館としても特に目立った活動は無く、またこれといってご報告する案件もないため、かなり投稿をサボってしまいました事、心よりお詫び申し上げます。

そんな中、突然舞い込んだお話がありご連絡させて頂きました。
以下NHKからのご依頼の内容をかいつまんでご紹介させて頂きます。

**御依頼文より**

NHK-FMでは、毎週日曜日 午前11時から「伊集院光の百年ラヂオ」を放送しています。
2025年に迎えるラジオ放送100年に向けて、ラジオへの造詣が深い伊集院光さんとともに、NHKアーカイブスに保管されている選りすぐりのラジオ音源を楽しんでいただく番組です。

2024年2月4日の放送回は、番組「自由の鐘」の特集回となり放送劇「家庭の自由」内にて、
服部正 様が指揮者としてご出演された回の再放送を考えております。

【番組名】 「伊集院光の百年ラヂオ」
【M C】伊集院光、磯野祐子アナウンサー
【放送予定】 2024年2月4日(日)11:00~11:50(NHK-FM)
※FM放送は難聴対策の無償サービスでありますNHKネットラジオ「らじる★らじる」と「radiko(ラジコ)」でもお聴きいただけます。
※NHKネットラジオ「らじる★らじる」では、放送後 1 週間の聴き逃し配信がございます。
配信期間は 2月 4 日(日)から 2 月 11 日(日)です。
【ご紹介内容】
1947年3月25日に放送された『自由の鐘』より、放送劇「家庭の自由 -春の訪れ-」を紹介。
劇内では、 服部正 様 の指揮で演奏された音楽も放送する予定です。

以上

1947年というとまだ戦後間もない頃で物資も潤沢では無く、しかもラジオといっても「録音機材」が十分な機能が無い頃の放送が残っているのは貴重なものと思われます。
(残念ながらご依頼に書かれている曲名の譜面は遺品の中にはございませんでした。)

日曜日のお昼前、もしお時間があれば是非お聞き頂ければと思います。

服部正関連 テレビ放映ご紹介

ここ数週間にて複数メディアから写真等の提供依頼を受けました。
近々放映予定なので、まとめてご案内致します。

4/12(水)23:00~
NHK総合 「天然素材 NHK」
「あなたのメロディ」(審査員として継続出演)
1969年6月に放映された同番組のご紹介

4/14(金)22:00~
BSフジ 「ビルぶら!レトロ探訪」
昭和時代レトロビル探訪にて秋葉原ラジオセンターにて「ソニー坊や」の紹介

「あなたのメロディ」は音楽好きの一般視聴者が自ら歌を作詞作曲し応募、番組でプロの歌手に歌ってもらい、当時の作曲家、作詞家から評価を頂き優秀作品をアンコール演奏すると言うものでした。
当時は審査員の作曲家として服部正、作詞家として高木東六氏がほぼ毎回出演していたと覚えております。
(服部正はこの番組の事を「アナメロ」と呼んでました。)


「ソニー坊や」は戦後の復興時にテレビが普及し始めたころ、ソニーCMにて流れていたようで、秋葉原ラジオセンターには当時を回顧するスペースもあるとのことです。(この番組のガイド役はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にて一世を風靡した「アサシン善治役」の梶原善氏だそうです。)

どちらも夜分遅めの放映で、恐らく「服部正」として流れるとしても一瞬かもしれませんが、お時間がございましたら是非ご覧頂ければと思い、ご紹介させていただきました。

服部正の幻の秘蔵作品 公式公開!?

毎年開催されている慶応義塾マンドリンクラブ(KMC)の部内演奏会というローカルなコンサートにて、服部正の恐らく正式には公開されていない作品を演奏する事に致しました。この演奏会はKMC OBOGがアンサンブルをそれぞれ編成し演奏し合うイベントです。

曲は「ボヘミア旋律によるフルート、オーボエ、クラリネットのための狂詩曲」という、題名からは何となく堅苦しそうなイメージが湧いてきますが、皆さん良くご存知の「気のいいアヒル」という歌のメロディを変奏曲風に服部正が作った曲です。
作曲されたのは1975年10月で、服部正としては珍しい「木管楽器」にスポットをあてた曲となっています。
編成はソロ・フルート、ソロ・オーボエ、ソロ・クラリネットがこの曲のメロディを様々なパターンで演奏、伴奏には「弦楽合奏+リズム打楽器+ピアノ」という譜面と、単純に「ソロ3楽器とピアノ」だけ、という譜面の2種類を服部正は作っておりました。

そもそも何のためにこの作品が作られたか、これは何も情報が残っておりません。
雰囲気的に当時服部正が力を入れていた「グレースノーツ」という女性ばかりのオーケストラ用に作った事はほぼ間違いないと思われます。
しかしながら録音の痕跡はなく、演奏会でやったのかどうかも不明で、仮にグレースノーツでやっていたらそれぞれのパート譜も残っているはずですが、それもありません。
この譜面は過去小生宅には無く別の方にアーカイブして頂いた中にあり、一昨年返却を頂き発見致しました。

想定としては、当時グレースノーツは地方や企業からイベント開催の時の出し物として呼ばれていったことも多く、その中でこの楽団の管楽器奏者の「腕前ご披露」的位置づけで演奏された可能性が高いのではと思われます。
このグレースノーツは、そもそもが音楽大学の女性楽器奏者が当時卒業後音楽をやる仕事につけないという事で服部正はこの楽団を作ったのですが、当然音大卒の女性管楽器奏者もかなりレベルは高く、この曲も結構ソリストに厳しい要求をしております。

実にほぼ50年振りにこの曲をKMC三田会の管楽器メンバーでこの度部内演奏会にて再演する事に致しました。編成はフルートとクラリネットだけの6重奏で、ソロはオーボエを2番フルートに対応して頂き再現致します。
全曲で5~6分の比較的短い曲ですが、テーマを様々なバリエーションで最後に向かって盛り上がっていく様は服部正らしい展開です。(他にも一般曲2曲演奏予定)

服部正がこの曲を書いた年齢(67歳)になった私がこの曲を演奏するのも何か運命的なものもありますが、果たしてどんな演奏になるか、皆様にもまたご報告いたします。(ご報告もできないようなひどい演奏にならないように、自らにプレッシャーをかけてます!!)

*部内演奏会は2/23(木・天皇誕生日)新宿区 角筈ホールで午後13時開演予定だそうです。

京都府立医科大学 学歌譜面寄贈

ここのところ感染症の影響で長い間「校歌」「社歌」の類についての寄贈活動は控えておりましたが、この度京都府立医科大学にお邪魔し、学歌の直筆譜の贈呈をして参りました。
本件、ちょうど2年前の10月に当館に大学の方から問い合わせを受けご対応をした事から、その後本学が創立150周年というおめでたい年に、この学歌の作曲者の親族として祝典イベントにお招きを受けたのですが、どうしても当日に東京から移動できない状況にあり大変申し訳ない中、事前にご訪問し寄贈をさせて頂きました。

当日はあいにくの雨の中、感染症もやや減少傾向で旅行客が増加している京都駅からタクシーで約20分、目的の府立医科大学に到着、威厳のある本部校舎の入り口にて関係幹部の方にお迎え頂きました。
早速応接室にご案内頂き、学長様、そして付属病院の院長様をはじめとし、この学歌についての関係の皆様とご挨拶させて頂き、直筆譜を贈呈致しました。

京都府立医科大学 竹中学長に服部正直筆譜の贈呈

この学歌については以前当館でもご紹介した通り長い月日の間に歌われ方が違うとの事で学内で長く論議されており、たまたま当館の「校歌、社歌ご紹介」の一連でアップした記事を見つけられ、長年の懸案事項の解決に大きな一歩となった事をご紹介しましたが、当時細かなご対応を頂いた関係の方にもお会いする事が出来ました。

医科大学の幹部という要職の方々とお会いするのはなかなか機会が無く当初は相当緊張しておりましたが、皆様の暖かいお気持ち、アットホームな雰囲気に囲まれとても有意義な時間を過ごすことが出来ました。

京都府立医科大学学歌 自筆譜
(紀元2600年とは昭和15年(1940年))

お聞きする限り専門の医学の勉学、研究の傍らオーケストラ等の音楽の活動にも積極的に参加され、そういった環境の中でこの学歌の歌われ方についても独特の視点で問題提起から解決に向けたご尽力は誠に頭が下がる思いです。
そもそも音楽に対するリテラシーの高さも素晴らしい物があった事を再認識致しました。

11月にこの創立150周年の記念式典が行われるとの事ですが盛会である事をお祈りするとともに、これからも京都府立医科大学の益々のご隆盛と関係の皆様のご健勝を祈念申し上げます。

この度は大変お世話になりました。ありがとうございました。

京都府立医科大学 学歌の紹介ページ

京都府立医科大学学歌の謎の判明の糸口に

仙台育英学園高等学校 初優勝おめでとうございます。

2022年8月22日仙台育英学園高等学校が夏の高校野球大会にて優勝しました。
校歌作曲者親族として心よりお祝い申し上げます。

今回ここまで4回甲子園球場にて勝利し、そのたびに校歌が流れる事に大変嬉しく、本日とうとう最後の試合で校歌が流れる事になりました。選手たちの頑張りに改めて敬意を表します。

当館でもこの校歌について記事を書かせて頂きましたが、校歌制定が昭和5年2月22日とホームページでは書かれており、92年の長きにわたり歌われてきました。(仙台育英学園高等学校校歌記事(当時は中学校))

本当に長年ご愛唱頂いたことに心より感謝申し上げます。

あと8年で校歌制定後100年になります。
今後も野球をはじめ各種スポーツ競技、文化活動にご活躍頂く事を心よりお祈りします。
そして文武両道の学校として益々の発展を祈念し、お祝いの言葉といたします。

服部正WEB資料館 館長 服部 賢

雑誌「東京人」に掲載

「東京人」2022年4月号表紙

書店に行った時に「東京人」という雑誌を見かけた方も多いと思われます。
この度3/3に発売される最新号の特集が「日本が生んだクラシックの名曲」と題し、明治から現代にいたるまでの様々なクラシック音楽に関する記事を色々な角度で掲載されております。
実は約1ヶ月ほど前にこの雑誌の編集者から当館にお問い合わせがあり、「服部正の画像をお借りしたい」との事で依頼を受け、ご協力致しました。

当初はどの程度の特集なのかよく存じあげてなく、ご希望が「ラジオ収録に絡むような画像」との事でしたので、それにまつわるような画像をご提供致しました。
大変恥ずかしながら、この「東京人」という雑誌の存在は知っておりましたが、購買した事が無かったので出来上がった雑誌を頂戴して、まずびっくりしたのが「中身の充実度」でした。雑誌そのものが150ページを超える厚さで、さらに「日本のクラシック音楽」の特集だけで100ページにも及び、歴史や作曲家だけでなく、演奏家や音楽を提供する音楽ホール等についてもかなり深堀された記事が掲載されております。
(さすがに本投稿までに全部読み切れませんでしたが、これからゆっくり読破していくつもりです!)

服部正については「レコード、ラジオ、映画の誕生」という昭和前半に焦点をあてたコラムにて掲載頂きました。ラジオ体操だけでなくヤン坊ニン坊トン坊等、ラジオ番組での音楽対応と言う面でスポットを当てられ、「芸術と大衆音楽を結び付けてマスメディアを通して広めた功労者」という大変過分なご紹介を頂きました。まさに服部正が目指していた事を的確に表して頂きました。

服部正の記事が載っている「東京人」4月号のページ

正直申し上げてここまで本格的な内容になっているとは想像していなかったので、まずはこの特集に取り上げて頂いた音楽家の一人であった事に大変敬意を表する次第です。古くは滝廉太郎から1990年代に生まれた若手作曲家、さらにはサントリーホール等のホールの話からオーディオに至るまで本当に「日本の音楽」をここまで様々な角度でアプローチ頂いた内容には頭が下がる思いです。

「服部正」はともかく充実した内容なので、皆様も多少でもクラシック音楽にご関心があれば是非ご覧頂ければと存じます。

編集の皆様、たいへんお疲れさまでした。そして誠にありがとうございました。

ロシアのウクライナ侵攻に思う事

2022年2月、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。

当館では政治的な話をすることは致しませんが、実は忘れられない思い出があったので投稿致します。

以前当館では「服部正の海外活動」と題し、1968年にヨーロッパの音楽巡りというツアーを服部正が団長となり行われたことをご報告致しました。
実はその時に重要な世界的な事件に遭遇した事を思い出しました。

1968年服部正率いる音楽祭巡りツアーパンフレット

この時は日本を出発し、デンマーク、オーストリア、スイス、ドイツ、イタリア、フランス、イギリスを巡る旅でした。
1968年8月21日の朝、確かスイスのチューリッヒだったと思いますが、旅行団が投宿していたホテルで朝食を取りにロビーに向かったところ、たくさんの投宿客が非常に心配そうな顔でロビーのテレビを見入っていたのです。
前日の8月20日深夜、旧ソヴィエト軍率いるワルシャワ条約機構軍が旧チェコスロバキアの首都、プラハに軍事侵攻をした事を生々しくテレビが報道しておりました。
プラハとチューリッヒは距離的には500キロぐらいのところにあり、日本で言えば東京、大阪間に匹敵します。そんな距離感の所でこんな大ごとが起こっていた事は、当時中学生で同行していた私としては「キツネにつままれた」状況で、日本から物見遊山で来ている我々からしてみてもどれだけ大変な事なのかは当時としては全く即座には理解できませんでした。
幸い何事もなく予定通りその後の旅程は行われ帰国致しましたが、恐らく旅行団に参加されていた方のご家族は大変ご心配をされていたのでは、と今から思うとぞっとしてしまいました。

50年前の事とここ数日起こっている事が多少オーバーラップし、今回ご報告いたしました。
日本という国は島国でもあり、「国境」という観念が特に欧州とは全く違う事も含め、こういった他国間の微妙な考え方の温度差を改めて感じた次第です。

ウクライナの皆さんには是非ご無事でいて頂きたい事と、早期に状況が安定する事を切に願う次第です。