野の羊(歌曲)

この曲は、実は「ラジオ体操」にも負けない服部正の大ヒット作になったといってもおかしくなく、今でも様々な歌手の演奏会に取り上げて頂いております。「昭和の歌曲名選」と題された歌の本でも服部正の唯一の曲として採用していただいたり、YouTubeでもこの曲の演奏が複数アップされています。
とはいうものの、服部正の著書にはこの曲のそもそもの生い立ちに関する記事は無く、様々な情報から1939年(昭和14年)頃の作品と思われ、作詞の大木淳夫氏との接点もはっきりしておりません。Wikipediaではこの曲について(1941年)と書かれていましたが、慶応義塾マンドリンクラブの第53回定期演奏会(1939年11月16日)のプログラムにしっかり登場しており、そこでは「井口小夜子」氏のソプラノの独唱で歌われていたそうです。(井口小夜子氏は1914年生まれ、1939年現武蔵野音大卒業後キングレコード専属歌手となり2003年11月没←卒業後間もない演奏会ですね!)
服部正自身も作曲した当時、この曲が今日これだけ歌い継がれるとは思ってもいなかったかもしれません。曲は軽妙で当時としてはなかなか洒落た音楽だったのではないかと思います。

ここに載せた譜面は戦後NHKで放送するためのオーケストラアレンジ版とかなり古いマンドリン伴奏版ですが、そもそもの作曲時がピアノ伴奏だったのか、最初からマンドリン伴奏なのかも不明です。ソプラノ歌手をイメージして作られていた可能性は大でありますが、歌詞的に男性が歌っても全く違和感が無いのでバリトン歌手等も多く歌って頂いています。

上記の通りYouTubeでも聴けますので、ぜひお耳に入れてみてください。

野の羊01 野の羊02

NHK用オーケストラ伴奏版

野の羊03


マンドリン伴奏版(かなり古い!)