服部正の父「服部正平」は全国に支店網を持つ銀行の銀行マンでした。当然現在と同じように「転勤のリスク」は常に持っていました。
正平が大阪に勤めていた時に家族も全員大阪で過ごしていましたが、「門司に転勤」の命を受けてさすがに動揺し、当時中学生だった息子「正」や弟の教育の事を考え不本意ながらも単身赴任を決意、家族は皆東京に戻ることになりました。
ここで服部正にとって大きなターニングポイントが生まれました。
1.ミッション系の青山学院中等部に転校
毎日礼拝があり、讃美歌を歌う生活となったため、西洋音楽の起源とも言える「宗教音楽」に始終接する事になりました。これによって服部正の「クラシック系音楽」愛好に火が点きました。
2.特に趣味のない単身赴任の正平がオフの時間潰しに何と当時流行っていた「マンドリン」を購入!夏休みに家族で陣中見舞いに行った時に服部正が目ざとく見つけ、門司滞在中にマンドリンの虫になってしまいました。
この2つのきっかけが服部正を音楽の道に進ませる「火付け役」になってしまいました。お題にある「保険サラリーマン」についてはこの後でその経緯を書きますが、少なくとも父正平は息子たちに良い教育を受けさせて一流の会社勤めをすべく、自身の勤めていた銀行の関連会社の保険会社に就職を斡旋すべく手を打つつもりでいたようであり、この時点ではこれらの動きは単なる「趣味の世界」から逸脱するとは夢にも思わなかったようです。