以前この欄で「関西学院マンドリンクラブ創部100周年」のお話をした時に「マンドラの為のラプソディ」という曲に触れました。
今回この曲をこの欄でご紹介し、内容は後日作品ページに転記致します。
服部正はマンドリンの振興に力を入れておりましたが、正直昭和時代は日本の音楽界ではクラシック系でマンドリンアンサンブルのプロ的集団はそれほど多くなく、どちらかというと大学のマンドリンクラブのレベルが全国的に高かったと言えます。
慶應義塾マンドリンクラブの指導を主に行っていた服部正は日本全体のレベルを上げていく事にも腐心し、全国大学マンドリン連盟やNHKが行っていた「ジュネス」という学生音楽活動振興にも大いに参画していました。
そんな中でも、この関西学院大学のマンドリンクラブとのお付き合いはかなり強く、それも同校ご出身の赤尾静造氏とのつながりが極めて濃い関係でした。
服部正自身の慶應とのつながりに共通する、赤尾氏と関学との関係に共感を得ていたようです。
そんな赤尾氏の関学マンクラ入部20周年の1960年にこの曲は作られました。
同大の1960年のイブニングコンサートにこの曲は取り上げられ、勿論マンドラソロは赤尾氏によるものでした。
関学マンクラの100年史に服部正の当日のコンサートに寄せた文章が掲載されていたので、一部記載致します。
「赤尾氏は関学ご卒業後も、現役部員と同じように絶えずクラブと行動を共にされ、常にクラブの運営その他に特別のご協力をなさっているようです。・・・日頃からこの赤尾氏のお心がけに敬意を表している私としては、何かこの20年目にお祝いの曲を差し上げたいと思いました。
-中略-
音楽的にも優れ、人間的にも優れた赤尾氏の為の曲としては、私の曲は少々貧しいかもしれません。しかし、真心をもって作曲しました。この曲は自由な形で作ったラプソディですが、日本人ならば必ず一つの共感をもって頂けるものがあると感じております。・・・」
幸い慶應マンドリンクラブOBで青葉マンドリン教室の師でもある肝付氏によるCDも出ておりますので、ご興味のある方はお聴き頂ければ幸いです。
私のCDもご紹介頂き、有り難うございます。
この素敵な曲を、ぜひ多くの皆様に聴いて頂きたい、そして演奏して頂きたいと思っています。
肝付様
コメントありがとうございました。
また色々と情報があればご教示いただけますと幸いです。
館長 服部 賢