「品川区立浜川中学校」は箱根駅伝のコースにもなっている第一京浜国道のすぐ横にある中学校です。この校歌を服部正はかなり以前に作曲致しました。
寄贈のため訪問を打診したところ「直筆譜なら校長室に飾ってありますよ。」と言われびっくり。こちらにも間違いなく直筆譜があったので、とにかく伺う事にしました。
天気に恵まれた12月の初日、品川駅から京急線に乗って立会川駅で降り、徒歩で10分足らずで目指す中学校の校門に到着しました。
受付に行こうと思ったら「坂本竜馬」の大きな像がいきなり校舎の1階に鎮座していました。
後で校長先生に聞いたところ、江戸時代立会川近辺は土佐藩の武士が住んでいたという事であり、その後立会川駅そばに竜馬の像が建てられていたそうですが新しい像を作り直したため、それまでそこにあった像を「出来れば屋根のあるところに保管してほしい」との事で、この浜川中学校の校舎の入口に移転したそうです。
校長先生、副校長先生に出迎えられ校長室にお邪魔しましたが、確かに電話で聞いた通り直筆の譜が飾られていました。譜面の書き方や文字の筆跡を見ても父「服部正」の直筆であることは間違いありませんでしたが、どうもこれは最終的に書いた正式版であり、私が持っていった物は絵で言えば「デッサン」といえるものであったようです。
どちらも本物だという事も何となく分かり、お喜び頂き受け取っていただきました。
実はこの校歌の作曲を依頼するために父が学校から頂いた「原稿用紙」に書かれた大木惇夫先生作詞の文書もお持ちしたのですが、この時の依頼者の学校の先生の連絡先電話番号の局番が何と「2桁」で書かれていたので上記の「かなり以前に」という言葉を使いました。(東京の市内局番が2桁というのは間違いなく昭和30年代前後です。)これはさすがに校長先生も初めて見られたようでした。校長室に飾られた譜面には「昭和30年8月」と書かれており、(奇しくも私の生まれた年月でした。)ここでやっと作曲年月が判明しました。
学校の統廃合や校歌の作り直しが進んでいる中で現在もお使い頂いていることに敬意を表し御礼致しました。
校長先生、皆様、ありがとうございました。
持参した直筆譜(デッサン!?)