自作譜面を整理していたらとてもかわいい猫の絵が描かれている譜面を見つけました。
1947年に政岡憲三氏(譜面には憲政と書かれていましたが)の作品であり、しっかりYouTubeでもこの作品が残っていました。20分程度の作品ですが、全体を音楽中心のオペレッタ的な構成にしており、服部正が音楽を担当しておりました。
白黒アニメですが当時としては非常にきれいな画像で、短いながらもストーリー的にもとてもよく出来ていると思いました。(リンクを貼りましたのでご覧になってみてください。)
譜面はかなりボロボロになっており、ここに掲載すべくスキャナーで撮ろうとすると紙の端が崩れていくのを必死になって慎重に扱いながらスキャニングしました。恐らく戦後直後で譜面はともかく表紙の紙はかなり劣悪なものしか手に入らなかったのではと想像してしまいます。(ちなみに譜面には1946年8月と書かれておりました。)
しかしながら戦後のすさんだ状況でこのようなちょっとした癒しを与えてくれるアニメを作った政岡氏も素晴らしいと思います。音楽も服部正独特の分かりやすい明るい調性が全体を包み、ハッピーエンドへの盛り上がり方もこの後に繋がるお姫様シリーズ(人魚姫、かぐや姫等)の布石となるような作品ではないでしょうか。
保存されていた「すて猫トラちゃん」の譜面
YouTubeでの画面の一部