地域別校歌・社歌のご紹介(③中国編)
中国地方にもいくつか校歌、社歌が残っております。数は多くないものの、とても校歌を大事に育んでいただいている学校が目立ち、作曲者遺族としても大変嬉しい限りです。
まず広島県廿日市市にある七尾中学校の校歌をご紹介します。
ガリ版刷りのいかにも歴史のある楽譜が残っておりました。「七尾」と言う地名から当初は石川県能登半島の「七尾」かと思ってしまいましたが、広島県の七尾中学校のホームページにしっかり校歌がアップされており確認できました。昭和24年に近隣の中学校が合併してできたとの事で、恐らくその頃に作曲されたと思います。このガリ版のイメージからも彷彿できますね。
続いて島根県の奥出雲町にある横田中学校です。
校歌制定は昭和28年との事でしたが、その後昭和46年に近隣の中学校と合併し存続校として校歌を引き継いで頂いたようで、大変光栄な事です。
この中学のホームページの素晴らしいことは何といっても現校歌紹介に続き、合併される前の各中学校の校歌も音声付きでご紹介されている事です。
確かにその学校を卒業された方にとっては現存している校歌とは違う校歌を歌っていたわけですが、そういった方に対してのご配慮と思われ、そのお気遣いと「校歌」を大事に思う気持ちに心を打たれました。
この横田中学校の縁が取り持ったのかどうかは不明ですが、昭和37年に同じ地区の横田町の歌も服部正が作曲致しました。ここには「横田町広報」という地元の新聞に譜面と記事が載っておりました。
この町歌制定に際しては大音楽会がイベントとして開催されたようです。今は奥出雲町に合併され、この歌そのものがどのようになっているかは不明ですが、いずれにしろこれだけ厚遇頂いたことは服部正としても大変喜んだと思います。
その他に鳥取県には以前ご紹介した「鳥取西高校」の校歌があり、最近またこの学校の関係者から寄稿のご要請があったりして、大変ありがたいお付き合いをさせていただいております。
また、以前「無くなった会社の社歌」の欄で「扶桑相互銀行行歌」の存在をご紹介しましたが、この銀行は鳥取に本店を置く地域金融機関でした。
そういった意味ではこの地区は大変「濃い」お付き合いをさせていただいたイメージが強く、機会があったら訪れてみたいと思っております。