トマトさん元気を出して!(ヤン坊復刻挑戦!)

「ヤン坊ニン坊トン坊」では様々なキャラクターが出てきますが、この「トマトさん」と言うのは、やんちゃでわがままな「カラス」でヤン坊たちの旅になぜか付いて回っています。厄介者にも思えるもののなぜか憎めない存在で、服部正の「広場で楽隊を鳴らそう!」でもこのように書かれていました。
「トマトという名のカラスを登場させ、文学座の新村礼子の不思議な発声をうまく利用したのが大いにうけた。」
おりしも今NHKで放映している「チコチャンに叱られる」でいつも最後に登場する「キヨエちゃん」というカラスにも何となくイメージが似てくるような気がします。
この曲は「ヤン坊、、」が始まって約半年経った頃の番組で歌われた曲ですが、「いつも憎まれ口をたたくトマトさんが、元気がない場面」で元気にさせるための歌で、音楽もとても明るい歌になっています。(ストーリーとしてなぜ「元気でない」のかはさすがに情報がありません。ごめんなさい!)

トマトさん元気になって 表紙
トマトさん元気になって 冒頭


トマトさん元気になって(歌詞)

ゴシゴシこすれ こすれよこすれ
早く元気を出してよ トマトさん
元気になって 遊んでよ
お話もして 飛び回り  ケンカもしてよ トマトさん

ゴシゴシこすれ こすれよこすれ
早く元気を出してよ トマトさん
早く元気を出してよ トマトさん

トマトさん元気になって

「ヤン坊」関係の曲は一旦ここでお休みします。いろいろと譜面を眺めて、面白そうな曲が見つかったらまた再開致しますので、しばらくお待ちください。

服部正はブルックナーが嫌い?

今回はかなり昔のお話をご紹介します。
というのも、小生が小学生の頃に「カラヤン/ベルリンフィル」が来日し、その時のチケットをめぐってのお話であり、他愛のない話ですが気楽にご覧下さい。

1966年にカラヤン/ベルリンフィルが日本に来日し、その時はNHKが招聘に主要な役割をしていました。そういったこともあり服部正が当時NHKともかなり密な仕事関係をしていたため、この演奏会のチケットを入手する事ができました。
その時は「ベートーヴェン交響曲全曲」の他、ブラームスやモーツァルト等のカラヤンお気に入りのプログラムでしたが、やはり当時の日本のクラシックファンはまず「ベートーヴェン」であり、服部正に回って来たチケットは残念ながら人気の一連のベートーヴェンのコンサートではありませんでした。一つはブルックナーの交響曲第8番、もう一つはモーツァルトの「ディヴェルティメント」とR.シュトラウスの「英雄の生涯」でした。服部正は息子の小生に対し「行きたいか?」と尋ね、自分としては一も二も無く「行きたい!」と答えたのですが、その時に渡されたチケットは「ブルックナー」の方でした。
当時小学校5年だった小生は、まず「ブルックナー」という作曲家すらよく知らず、また1曲だけで1時間半近くの曲だったのでかなり当惑した事を覚えています。でも折角の機会なので一生懸命聴きに行きました。とにかく「寝ないで最後まで聴く」という目的は何とか果たせましたが、曲のイメージは全く覚えていません。ただ、あこがれのカラヤンを目の前で見られた事は感動でした。
今から思えば「まだ音楽を良く知らない子供にはモーツァルトがある方が良いだろう」と普通は考えると思ったものの、この選択をしたのは「よっぽどブルックナーが好きでなかった!」という仮説が成り立ちそうです。後日R.シュトラウスの演奏を聴いて帰って来た服部正は「カラヤンがまさに英雄だった!」とご機嫌だったのを今でも覚えています。
確かに服部正の夥しい所蔵スコアにはR.シュトラウスは2~3冊ありましたが、ブルックナーは皆無でした。(ちなみに、マーラーも0でした!マリピエロの超レアな曲のスコアが数冊あるのに、、、、)

実は最近、この時の演奏がCD化されたので、現在ブルックナーファンの小生は早速購入しました。当時理解できなかったこの演奏を50年たった今もう一度聴けた事、そしてその演奏が素晴らしかった事に感激してしまいました。演奏終了後に割れんばかりの拍手も一部収録されていましたが、その中に自分の幼い手で一生懸命拍手した音も混じっている、と思うと、また感慨も新たになりました。

1966年カラヤン来日演奏の復刻CD

「トン坊のセンチな歌」(ヤン坊復刻挑戦!)

トン坊は様々な場面で自分の気持ちを伝えるときに歌を歌う事が多く、このシリーズでもトン坊の歌が比較的多く残っています。
洪水で出会い助けたシカの子供がうるさいので周りから「追い出せ」と言われ、止む無く連れて行く時にトン坊が歌った曲です。
「センチ」という言葉は今やあまり使われてませんが「センチメンタル」から来ているので短調の悲しいメロディになっています。この歌を60年昔、若かれし黒柳徹子さんが歌っていたのでしょうね!

トン坊のセンチな歌表紙
トン坊のセンチな歌

歌詞
なきたくなると なみだがでるよ
なみだがほっぺた つたわるときに
なんだかちょっぴり あったかい
ああ、そうだ かあさんのおちちの あったかさ
おちちがくちへ ながれるときの あったかさ

トン坊のセンチな歌

「広場で楽隊を鳴らそう」復刻版、間もなく終了

昨年の1月服部正の唯一の自叙伝的な文献「広場で楽隊を鳴らそう」につき、電子書籍化して追記したものをご案内しておりました。

「広場で楽隊を鳴らそう」復刻版ページ

実は先般この電子書籍扱い業者(パブー社)から「2019年9月30日をもって閉店し、サービス全般の取り扱いを終了します。」との連絡が入りました。
やはりこの業界も生き残りがなかなか大変な状況なのではとお察しし、致し方ないと理解いたしました。
尚、今の所他の業者(Amazon等)への出品については計画しておりませんので、もしご希望の場合は本年9月30日までにお買い求めいただければと存じます。
その後は当館にて「データ」だけは何らかの形でご提供する事は検討可能ですが、電子書籍的な「見映え」「至便性」は追求できず、またプリントアウト提供の場合もコピー費用、送料等で割高になってしまう恐れもございますので、何卒お含みおき下さい。

テレビ東京「何でも鑑定団」に小林亜星先生登場

来る4/9(火)20:54からテレビ東京で放映予定の「何でも鑑定団」のゲストとして小林亜星先生が出演予定との事で、先日同番組スタッフから当資料館に「服部正先生の写真をお借りしたい」との要請がございました。小林先生が師としての服部正について語る部分があるため、写真が必要になったとの事です。
スタッフの話ではゲストコーナーは冒頭の数分に放映されるとの事ですので、ご覧になる方は「21時前に遅れないように」チャンネルを合わせて下さい。

実はこの話、最初は小林先生の話が無い状態で問い合わせが来たので、一瞬「ひょっとして服部正の直筆譜が鑑定対象にでもなったのか?」とあらぬ期待をしてしまいました!
当資料館にある膨大な直筆譜が場合によったらそれなりの評価をして頂ける可能性が、と内心ソワソワしてしまいましたが、後続メールで「小林亜星先生がゲスト」という事が分かり、小林先生には失礼ながらぬか喜びで終わりました(笑)。

小林先生は様々な場所で服部正を師として仰いでいらっしゃる事を都度コメントしていただき、大変感謝しております。ご高齢にはなりましたがまだご活躍されていることに敬意を表し、これからもご健勝にてお過ごしいただきたいと存じます。

クルミの歌(ヤン坊復刻挑戦)

この「クルミの歌」は第2回に作られ放送されました。ヤン坊ニン坊トン坊の初期の作品です。
そもそも「クルミ」とはヤン坊ニン坊トン坊にとって大事な「お弁当」的な存在であり、これからの長旅に向けしっかりと携行して行かなけれなならない「おにぎり」なのです。
道中では様々な食べ物に遭遇して食べたりしているようですが、困ったときはこのクルミがたよりになる存在でした。
「木の実」というとどうしても乾いた音を想像してしまうので、服部正も木琴(シロホン)を多用していました。とても元気な歌で、いかにも服部正らしい音楽です。

クルミの歌 自筆譜

「クルミの歌(歌詞)」
クルミ クルミ
クルミの中身は ミルクの味だ
クルミをかみかみ お花見したら
みみずくおじさん クシャミをしたよ
クルミ クルミ
クルミの中身は ミルクの味だ

クルミの歌

(歌詞も「クルミ」と「ミルク」の韻をうまく活用していますね、、、)

ヤン坊ニン坊トン坊、書籍発見!

現在様々な「ヤン坊ニン坊トン坊」の譜面を掘り起こし音源復刻を試みておりますが、そこに大きな援軍がやってきました。
それも「理論社」が1993年頃発刊している「児童向け書籍」であり、10冊で全集の所、何とか4冊(第2、3、5、6巻)を通販で入手しました。
やはり楽譜の掘り起こしをしたところで、いったいどういう背景で作られた曲なのか、というのが気になっていたので、まずはストーリーを確認しようとしたのですが、現状古書街や通販で入手出来るものが極めて少なく、比較的きれいな状態の物をやっと4冊見つけました。

理論社 「ヤン坊ニン坊トン坊」

この本のおかげで大変助かった事がいくつかあります。
まずあらすじが明確になった事。そしていくつかの曲の背景がはっきりした事。
そして何よりも驚き、嬉しかったのはその中でいくつか本の中に譜面が入っていた事です!
さらには譜面が無くても「歌詞」のみが入っているページも有り、実は服部正の原譜には歌パートにメロディだけで歌詞が無いものがいくつもあるため、この本の歌詞が該当した時はさすがに歓喜しました!

譜面のページ
歌詞のページ


昔、服部正がこの一連のシリーズを作曲していた時に仕事部屋には飯澤匡氏の初版の本が3~4冊並んでいました。表表紙もこの理論社と同じように3匹の猿の絵が描かれており、まだ当時幼かった自分は「漫画」とか「絵本」と思ってページを開けた所、文字ばっかりだったので諦めて元に戻した覚えがあります。今から考えてみると、その本がしっかり保管できていたら良かったのに、と後悔しております。
その後1995年頃NHKが衛星放送でアニメ化して違うスタッフ(音楽担当も変更)での再収録をしましたが、その後本もアニメもだんだん消えて行ってしまいました。
しかしながら、当資料館にも当時幼少だった方からお問合せ等がポツポツ入る事もあり、60年以上たっても覚えていらっしゃる方が存在している事は大変有難く感じております。
今回の「復刻挑戦!」も、どこかで聴いたことがありそうな曲を何とか復活させて、思い出して頂ける方を増やしてみようという試みで進めております。
多少時間はかかると思いますが、気を長くしてお待ちいただけると幸いです。

慶應義塾高校女子高マンドリンクラブ60回定演

3/21に予定通り慶應義塾高等学校女子高等学校マンドリンクラブの第60回定期演奏会が行われ、60回記念としてOB,OG参加の合同演奏ステージも含め無事終了いたしました。
お陰様でお客様もかなりの方にご来場いただきました。

第3部合同ステージリハーサル風景

第1部、2部、4部は高校生によるステージ、第3部はこの高校を卒業したメンバーと現役高校生の3年生を中心に合同演奏が繰り広げられました。60回という事はその都度卒業生が数人から十数人以上いるので、トータルの数字はかなりの数になりますが、今回は最年長の第2回卒業生から昨年卒業したばかりの大学生、そして高校生含め「157名」のメンバーが東京オペラシティのタケミツメモリアル大ホールに立錐の余地なく入り、約30分弱の熱演が行われました。
司会者の「ステージには157名のメンバーがいます。」と言ったら客席からどよめきが起こり、その異常な光景に皆さんもびっくりされていたようです。
演奏曲目も皆さんがかつて演奏経験がありそうな曲だったので、「昔取った杵柄」的に得意の部分に来るとすさまじい合奏が展開され、フォルテシモはタケミツホールの高い天井の効果も有り響きが共鳴しあっていました。
服部正もかつて毎年ALLKMCでこれだけの人数に近い演奏をしており、また慶應高校の定演でも1曲客演指揮をしていた事は前にもご紹介しましたが、その頃高校生として服部正の指揮で演奏していたメンバーが大半を占めており、皆さん高校生時代にタイムスリップをした感覚になられていたようです。
その後OBOG(出演者、聴衆)で祝賀パーティを行いましたが200名を超す代パーティとなり、中には50年ぶりに顔を合わす人間もいて当時の話に夢中になり、立食パーティの料理もなかなか無くならないほど会話に夢中になっておられました。
最後は服部正作曲の「KMCソング」で締めくくりましたが、このような活動がいまだに続けられている事を恐らく天国にいる服部正も目を細めて見ている事でしょう。

ご来場いただきました方、大変ありがとうございました。

しろんぼ猿の歌(ヤン坊復刻挑戦!)

この歌は「ヤン坊ニン坊トン坊」の第1回の最初に歌われた曲です。
歌詞を見てもお分かりの通り、これから始まる物語の主人公の紹介です。
でも、テーマ音楽でも「しっかり者」「暴れん坊」等紹介をしているのに、と思われるでしょうが、そもそもの「ヤン坊ニン坊トン坊」がどんな生き物かについて、ここで初めて「しろんぼ猿」であることを紹介しているのです。
インドの「白い猿」というのはネットで検索してみると「ハヌマーン・ラングール」という猿が存在しており、ヒンドゥー教でも手厚く保護されて神格化されているとも言われています。
(一説では「西遊記」の孫悟空のモデルとも言われています。)
恐らくこの「ヤン坊ニン坊トン坊」もこういった背景で「しろんぼ猿」として採用されたのでは、と思われます。

曲は元気なマーチ風で、歌詞も子供でも覚えやすくしたのではと感じられます。

しろんぼ猿の歌

しろんぼ猿の歌(歌詞)
しろんぼ しろんぼ しろんぼしろんぼ
ヤンボに ニンボに トンボウは
しろんぼ しろんぼ猿だ
あたまもしろんぼ 手足もしろんぼ
しっぽの先まで しろんぼだ アハハハハハハハ
しろんぼ しろんぼ  しろんぼ猿だ

しろんぼ猿の歌

お星さま、光っていてね(ヤン坊復刻挑戦!)

この曲は実は当資料館来訪者からのお問合せにより、今回ご紹介する事に致しました。

北海道のある修道院の院長様がこの曲を探しており、それをご支援されている方から当館にお問合せ頂いたのがきっかけです。早速探したところ、ほぼ一致する曲が見つかりご連絡したところ、大変お喜び頂きました。なんでも昔この曲を聞かれた院長様が非常に気に入って下さったようで、今般ご来賓の対応で使いたいという事でした。こちらとしても大変光栄な話であり、当館でも早速皆様にこの歌をご紹介しようと思った次第です。

服部正は通常ピアノをアンサンブルで使う所を「お星さま」のイメージを出すために、チェレスタ、グロッケンシュピールというクリスマスでよく使われる楽器を使う事で「キラキラ感」を出したようです。

お星さま光っていてね
(自筆譜)


この題目を見ても「光ってゐてね」という「い」の字が旧字を使っていたりして歴史を感じますが、昭和30年の8月に放送された時の原譜です。
トン坊が歌っていたようですが、残念ながら原作が手元に無いのでどういった場面で歌われたかは分かりません。恐らくインドへの旅の途中で夜間見知らぬ土地を心配しながら移動していた時の歌と思われます。

お星さま光っていてねの歌 歌詞
「おほしさま、おほしさま  ひかっていてね
いつまでも、 いつまでも
あなたを見ながら歩いてゆけば
みちを間違えないのです。
おほしさま、おほしさま  ひかっていてね
いつまでも、 いつまでも 」


歌詞をご覧になってもお分かりの通り、とても優しい気持ちに満ちた歌で、まさにキリスト教の教えにぴったりの歌ではないかと思いました。

お星さま、光っていてねの歌