服部正は生前日立製作所とのお付き合いが比較的多く、工場歌等の委嘱をいくつか手掛けておりました。この「海に寄せる3楽章」は茨城県日立市にあるアマチュアオーケストラ「日立交響楽団」のために作曲した、と言われていますが、そもそもこの「日立交響楽団」も日立製作所の日立工場の文化活動団体の一つとして活動しながら地元の一般の方々も参加する一般アマチュアオーケストラとなっております。
この曲の寄贈となるとこの日立交響楽団が相応しく、事務局のある日立製作所の事業所(日立市)に8月に行ってまいりました。
オーケストラの事務局の皆さんにご対応頂きましたが、おまとめ頂いている総務部長もお忙しい中御挨拶させていただくことが出来ました。当日は譜面の他25cmLPまで当時作成されましたが、それも複数所有しておりましたので1枚お持ちしました。
そもそもこの曲は序曲「黒潮を呼ぶ歌」として1977年に作曲されましたが、その後2楽章、3楽章を作曲し「海に寄せる3楽章」として1981年に完成致しました。その痕跡が表紙にもしっかり書かれております。今回はそのスコア譜面だけでなく、オーケストラパート譜まで服部正直筆の譜面があり、まとめてお納めさせていただきました。
オーケストラのパート譜となると楽器それぞれに分けて書く必要があり、楽器だけでも十数種類存在していますが、管楽器はさらに1st、2nd等複数奏者のために書き分けることもしなくてはならず合計2~30種類の譜面が演奏には必要なものの、そこまで全部直筆で書き下ろしているのはこの作品への思い入れが相当あったのかとも想像されます。
小生もかなり以前に会社とは全く関係のないアマチュアオーケストラに所属し団長までやった経験があり、アマチュアオーケストラ運営の苦労談も織り交ぜながら事務局の皆様と懇談させていただきました。
日立交響楽団の益々のご発展をお祈りします。関係の皆様どうもありがとうございました。