埼玉県立秩父農工科学高等学校校歌自筆譜の寄贈

6月とはいえ少々暑い朝を迎え、埼玉県の秩父農工科学高等学校にお邪魔することにしました。西武線で秩父まで一気に行けるのですが、池袋に出るまでにラッシュに出くわし、ここでエネルギーを半分ぐらい費やしてしまいました、、、。
西武秩父駅にて副校長様にお迎え頂き、一路高等学校へ。
この高校はNHKニュースの関東地方のローカル話題提供で何回か拝見し、そのたびに「服部正の作った校歌を歌っていただいている学校が頑張っているな。」と感心していたので、本日お邪魔するのを楽しみにしていました。
校長様にもお目通りさせて頂き、まずは校歌の直筆譜面を寄贈、副校長、音楽の教諭の皆様も同席頂きました。
実はこの高等学校、校歌を作った時点(昭和44年)では「秩父農工高等学校」だったのですが、様々な学問領域に拡大したため「科学」の文字を校名に追加して今日に至っています。
校歌の歌詞は藤浦洸先生がお作り頂きましたが、その「科学」を歌詞に追加しても違和感がないので今日までこの校歌を歌い続けて頂いているとの事で、大変恐縮してしまいました。

 

その後副校長様に学内をご案内頂きましたが、やはり「農工科学」という分野なので教室等も実に特徴的で「旋盤」や「溶接」、「電子機器」「ロボット」から「自動車」まで工業にまつわる様々なアイテムが各教室に置かれており、また追加された「科学」の分野でも「調理」の教室では、生徒たちが一生懸命「調理実習」している現場も遠目から拝見出来ました。もちろんその調理で使う食材も「農」で培われた野菜や果物等をふんだんに使ったりしているので、徹底的な手作り料理を目の前に見る事ができ感動しました。
一番素晴らしいと思ったのはどの生徒の皆さんも、一生懸命授業を受けている時の眼差しが実にピュアであり、またご指導されている教師の皆様も明るく前向きな姿勢で生徒たちに取り組んでおり、これからの「モノづくり日本」の屋台骨を担う若きパワーが生き生きと育っていく現場を目の当たりにした事です。この学校の卒業生がこれからどんどん活躍してくれると、本当に頼もしい日本になっていくに違いありません。

これからも益々ご発展をお祈りするとともに、技術立国の日本を支えていく事を期待してやみません。そして末永く校歌も歌い続けて頂ければとても嬉しいです。
秩父農工科学高等学校の皆様、ありがとうございました。

館長
1955年 服部正の長男として東京で生まれた。                     1978年 慶応義塾大学卒業(高校よりマンドリンクラブにてフルート担当)        同年    某大手電機メーカーに入社(営業業務担当)                  2015年 某大手電機メーカーグループ会社を定年退職                  現在 当館館長として「服部正」普及活動従事       

4件のコメント

  1. 私が在学していた時と違う校歌で寂しいですが、秩父農工の質実剛健の歴史と伝統はしっかり引き継がれていると思います。 

    1. コメントありがとうございました。
      種々の理由があって校歌を変更する事は致し方ないと思っております。(服部正の作った校歌もかなり消失してしまいました。)歴史のある秩父農工高校殿の伝統が引き継がれているとのお言葉は作曲者遺族としても光栄に存じます。ぜひ双方の校歌を大事に継承していっていただければと存じます。館長 服部 賢

  2. この校歌が出来た時の在校生です。
    前の校歌は『出でては土に鍬をとり…』など農業高校の名残りがあり、電気科の私は残念に思っていました。
    創立90か95周年記念に校歌を新しくする、ということで両先生に来校いただき、作っていただきました。藤浦先生は30分で歌詞を書き上げたと伺いました。
    詩も曲も名作だと思います。
    これからも永く歌い継がれていく事をねがって。

    1. ヨシハラ様

      コメントを頂きながらご連絡が大変遅くなり申し訳ございませんでした。
      校歌をご愛顧いただき誠にありがとうございます。

      全国の学校の校歌は「合併・統廃合」や「時代の波」による変更がここ十数年続いており、服部正の作品はだいたいが昭和初期から戦後昭和40年頃までが多いので「淘汰」されてしまっている校歌が目立っております。
      長く続いている学校の校歌は大変ありがたく感じておりますが、何よりも「学校の校舎」や「先生方」は変ってしまっても「校歌」はその長期に亘るご卒業の皆様がいつまでも持ち続けて頂ける共通アイデンティティーであり、これによりご卒業の皆様の交流が一層進む事を切に願っております。

      貴重なお話ありがとうございました。

      館長 服部 賢

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