「次郎物語」セレクシオン

昭和16年に下村湖人が書いた「次郎物語」を題材とした映画が作られました。
監督は島耕二氏、そして音楽が服部正が担当しました。
実はこの映画の音楽、マンドリン合奏による演奏だったのです。
勿論この演奏は慶応義塾マンドリンクラブが担当していたとの事です。
この作品のDVDを探しましたがどうしても見つからず、とりあえずVHSビデオテープは入手しました。そのパッケージには「少年の心の成長を田園風景の情趣とともに繊細に紡ぎだす児童文学の名作」と書かれておりましたが、自宅ではVHSビデオを見る機器は既に廃棄され、どうやって見たものか思案にくれていたところ、YouTubeで発見しました。勿論音もしっかり入っております。(当HPブックマーク一覧に追記しました。)

このセレクシオンは慶応義塾マンドリンクラブの定期演奏会用にいくつかの場面の音楽をセレクトしたものですが、時代を考えるとまさに太平洋戦争勃発の時期でもあり、この演奏会の2年後に一旦定期演奏会も中断せざるを得ない殺伐とした時代でした。戦地に赴いた慶応義塾マンドリンクラブの元メンバーが奇跡的に命を落とさず終戦時にグワム島で偶然にもこの曲の録音を聞き涙が止まらなかった、という手紙を服部正に出していた、との事です。

その後次郎物語はいくつか他の映画化をされたようですが、そこでは別の方が音楽担当をされています。

次郎物語01 次郎物語02

この譜面は原紙ではなくコピーが残されていました。