以前ご案内した「KMC三田会第9回定期演奏会」が去る8月8日に東京オペラシティタケミツメモリアルホールにて行われました。
この演奏会は本来は昨年の8月に実施する予定だったものの「新型コロナ感染症」の蔓延により中止され、今年に延期されたものですが、一部演奏曲目も変更され開催の運びとなりました。
以前ご案内した通り一部プログラムの変更により、今回の演奏曲目は服部正の作編曲が主となりました。
特に初演から40年前後経ってからの久しぶりの再演曲が2曲含まれており、演奏者も来場者も懐かしい思い出とともに演奏に浸って頂きました。
一つは久保光司氏の指揮による「シューベルト 交響曲第7番ロ短調「未完成」」全曲で、この曲は1984年に慶応義塾マンドリンクラブ定演にて初演されてから37年振りの演奏となりました。
もう1曲は小穴雄一氏指揮による「ガーシュウィン ラプソディー・イン・ブルー」で、こちらは1977年の初演後翌年のアメリカ演奏旅行にて演奏されましたが、それ以来43年ぶりの演奏です。
どちらもメンバーの中にはこの初演等に参加していた人もいましたが、さすがに40年前後経つと皆さんなかなか思い出すのも難しくなっており、特に速いパッセージは「学生時代ならでは」の運指に現状では追いつく事がかなりハードになってしまったようです。それでも皆さん一生懸命演奏されました。
一方で「ビギン・ザ・ビギン」「ホリデー・イン・ジャパン」、そしてアンコールで演奏された「八木節」「引き潮」は、それこそ演奏旅行での定番プログラムであり、ステージ上の皆さんは演奏しながら当時の様々なエピソードを走馬灯のように思い出されていたのでは、という雰囲気でした。
ご来場の皆様は慶応義塾マンドリンクラブOBOGだけでなく様々な方がいらっしゃっていただいたようですが、特にOBOGは昔懐かしい学生時代を思い出された方が多かったようです。
また今回の選曲は服部正の戦後作品ばかりであり、ご来場のお客様に楽しめる音楽を追求した作品が多かったものの、前記の「未完成」「ラプソディ・イン・ブルー」は服部正としての「こだわり」が強く出された編曲作品と思われ、どちらも学生からの発案ではなく服部正がどうしてもやりたいという気持ちが強かったと当時のメンバーも話しておりました。
今回は新型コロナ感染症対策を万全に練習から本番まで徹底して行われました。お客様も収容人員の半分以下のご案内、ステージ上も十分なソーシャルディスタンスを確保し、当然ながら演奏会終了後の打ち上げパーティも無し、非常に殺伐とした雰囲気の中、少ないとはいえお客様を迎えて公演できた事に演奏者一同感慨深く、感謝の気持ちを持って終了致しました。
ご来場頂きました方には改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
医療従事者への感謝の気持ちを改めて思い、一刻も早いコロナ感染症の収束をお祈りしたいと存じます。