服部正はブルックナーが嫌い?

今回はかなり昔のお話をご紹介します。
というのも、小生が小学生の頃に「カラヤン/ベルリンフィル」が来日し、その時のチケットをめぐってのお話であり、他愛のない話ですが気楽にご覧下さい。

1966年にカラヤン/ベルリンフィルが日本に来日し、その時はNHKが招聘に主要な役割をしていました。そういったこともあり服部正が当時NHKともかなり密な仕事関係をしていたため、この演奏会のチケットを入手する事ができました。
その時は「ベートーヴェン交響曲全曲」の他、ブラームスやモーツァルト等のカラヤンお気に入りのプログラムでしたが、やはり当時の日本のクラシックファンはまず「ベートーヴェン」であり、服部正に回って来たチケットは残念ながら人気の一連のベートーヴェンのコンサートではありませんでした。一つはブルックナーの交響曲第8番、もう一つはモーツァルトの「ディヴェルティメント」とR.シュトラウスの「英雄の生涯」でした。服部正は息子の小生に対し「行きたいか?」と尋ね、自分としては一も二も無く「行きたい!」と答えたのですが、その時に渡されたチケットは「ブルックナー」の方でした。
当時小学校5年だった小生は、まず「ブルックナー」という作曲家すらよく知らず、また1曲だけで1時間半近くの曲だったのでかなり当惑した事を覚えています。でも折角の機会なので一生懸命聴きに行きました。とにかく「寝ないで最後まで聴く」という目的は何とか果たせましたが、曲のイメージは全く覚えていません。ただ、あこがれのカラヤンを目の前で見られた事は感動でした。
今から思えば「まだ音楽を良く知らない子供にはモーツァルトがある方が良いだろう」と普通は考えると思ったものの、この選択をしたのは「よっぽどブルックナーが好きでなかった!」という仮説が成り立ちそうです。後日R.シュトラウスの演奏を聴いて帰って来た服部正は「カラヤンがまさに英雄だった!」とご機嫌だったのを今でも覚えています。
確かに服部正の夥しい所蔵スコアにはR.シュトラウスは2~3冊ありましたが、ブルックナーは皆無でした。(ちなみに、マーラーも0でした!マリピエロの超レアな曲のスコアが数冊あるのに、、、、)

実は最近、この時の演奏がCD化されたので、現在ブルックナーファンの小生は早速購入しました。当時理解できなかったこの演奏を50年たった今もう一度聴けた事、そしてその演奏が素晴らしかった事に感激してしまいました。演奏終了後に割れんばかりの拍手も一部収録されていましたが、その中に自分の幼い手で一生懸命拍手した音も混じっている、と思うと、また感慨も新たになりました。

1966年カラヤン来日演奏の復刻CD
館長
1955年 服部正の長男として東京で生まれた。                     1978年 慶応義塾大学卒業(高校よりマンドリンクラブにてフルート担当)        同年    某大手電機メーカーに入社(営業業務担当)                  2015年 某大手電機メーカーグループ会社を定年退職                  現在 当館館長として「服部正」普及活動従事       

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