しろんぼ猿の歌(ヤン坊復刻挑戦!)

この歌は「ヤン坊ニン坊トン坊」の第1回の最初に歌われた曲です。
歌詞を見てもお分かりの通り、これから始まる物語の主人公の紹介です。
でも、テーマ音楽でも「しっかり者」「暴れん坊」等紹介をしているのに、と思われるでしょうが、そもそもの「ヤン坊ニン坊トン坊」がどんな生き物かについて、ここで初めて「しろんぼ猿」であることを紹介しているのです。
インドの「白い猿」というのはネットで検索してみると「ハヌマーン・ラングール」という猿が存在しており、ヒンドゥー教でも手厚く保護されて神格化されているとも言われています。
(一説では「西遊記」の孫悟空のモデルとも言われています。)
恐らくこの「ヤン坊ニン坊トン坊」もこういった背景で「しろんぼ猿」として採用されたのでは、と思われます。

曲は元気なマーチ風で、歌詞も子供でも覚えやすくしたのではと感じられます。

しろんぼ猿の歌

しろんぼ猿の歌(歌詞)
しろんぼ しろんぼ しろんぼしろんぼ
ヤンボに ニンボに トンボウは
しろんぼ しろんぼ猿だ
あたまもしろんぼ 手足もしろんぼ
しっぽの先まで しろんぼだ アハハハハハハハ
しろんぼ しろんぼ  しろんぼ猿だ

しろんぼ猿の歌

お星さま、光っていてね(ヤン坊復刻挑戦!)

この曲は実は当資料館来訪者からのお問合せにより、今回ご紹介する事に致しました。

北海道のある修道院の院長様がこの曲を探しており、それをご支援されている方から当館にお問合せ頂いたのがきっかけです。早速探したところ、ほぼ一致する曲が見つかりご連絡したところ、大変お喜び頂きました。なんでも昔この曲を聞かれた院長様が非常に気に入って下さったようで、今般ご来賓の対応で使いたいという事でした。こちらとしても大変光栄な話であり、当館でも早速皆様にこの歌をご紹介しようと思った次第です。

服部正は通常ピアノをアンサンブルで使う所を「お星さま」のイメージを出すために、チェレスタ、グロッケンシュピールというクリスマスでよく使われる楽器を使う事で「キラキラ感」を出したようです。

お星さま光っていてね
(自筆譜)


この題目を見ても「光ってゐてね」という「い」の字が旧字を使っていたりして歴史を感じますが、昭和30年の8月に放送された時の原譜です。
トン坊が歌っていたようですが、残念ながら原作が手元に無いのでどういった場面で歌われたかは分かりません。恐らくインドへの旅の途中で夜間見知らぬ土地を心配しながら移動していた時の歌と思われます。

お星さま光っていてねの歌 歌詞
「おほしさま、おほしさま  ひかっていてね
いつまでも、 いつまでも
あなたを見ながら歩いてゆけば
みちを間違えないのです。
おほしさま、おほしさま  ひかっていてね
いつまでも、 いつまでも 」


歌詞をご覧になってもお分かりの通り、とても優しい気持ちに満ちた歌で、まさにキリスト教の教えにぴったりの歌ではないかと思いました。

お星さま、光っていてねの歌

慶應義塾高等学校・女子高等学校、マンドリンクラブ 第60回定期演奏会

慶應義塾には中等部から大学までそれぞれマンドリンクラブが活動しており、OB・OGを含めると大変な人数になります。
このほどその中で慶應義塾高等学校、女子高等学校のマンドリンクラブが60回という節目の定期演奏会を迎える事になり、それに合わせOB・OGも含めた合同演奏ステージも組まれることになりました。今般ご案内致します。

慶應義塾高校、女子高マンクラ定演演奏会チラシ

毎年1回定期演奏会をやられていますので、何と60年前から活動している事になります。
今回の合同演奏には現役高校生代表も含めると、何と一度に160名ものメンバーが東京オペラシティの大ホールのステージを埋める事になり、この姿も圧巻と思われます。
実はこのステージへの出演希望者はキャパシティオーバーで残念ながらご遠慮いただいた方も相当数いらっしゃったらしく、高校のクラブ活動でここまでの規模になるのもそう多くはないかもしれません。
今回の出演者で最長老は第2回演奏会で卒業された方で、つい昨年ご卒業された方も、そして現役の高校生も出演しますので、その年齢差最大60歳前後のまさに「老若男女」が一堂に会す事になります。

この高校を卒業した人すべてが大学のマンドリンクラブに入るとは限りませんが、かなりの人数が大学も継続して活動をしています。
また慶應義塾高等学校は男子校ですが、マンドリンクラブは慶應義塾女子高等学校と提携して活動しており、ここで育まれたカップルがそのままご家庭を築いた例は多数あり、今回も夫婦でのご出演のOB・OGもいらっしゃいます。

服部正も以前は定期演奏会で必ず1曲指揮を執るというのが恒例になっており、本番直前に練習に訪れ指導をしていました。同じ高等学校で慶應義塾志木高等学校にもマンドリンクラブは個別に活動しており、当時は毎年3月に2つの高校生のマンドリンクラブの演奏会の指揮を楽しみにしておりました。

今回「東京オペラシティ タケミツメモリアル」にて記念すべき第60回定期演奏会が開かれますが、ご関心のある方は是非お越しください。
尚、入場無料ですが、入場整理券的なチケットを発行しており、出演者から もしくは当日会場にて入手をお願いする事になります。
場合によって会場のキャパシティを超えた場合は入場不可になる恐れもございますので、あらかじめご承知おき下さい。当館でもご希望があれば仲立ち致します (お問合せページをお使いください。) が、前述の通り必ずしもお約束は出来ない事もございますので、お含みおき下さい。
(考えてみれば高校生全員+OB,OGで合計出演者が200名を超すので、一人4~5人連れてきたらあっという間に1000名を超えてしまうので、想定がしにくくなっております、、、)

2019年3月21日(木・春分の日)14:00開演(13:30開場)
東京オペラシティ コンサートホール タケミツメモリアル(京王新線、初台駅)
(入場無料)

(ちなみに小生は第15回の卒業で、今回も一応ステージに乗る予定です。)

ツバメさんの歌(ヤン坊復刻挑戦!)

ヤン坊ニン坊トン坊の音源復刻挑戦、第3段は「ツバメさんの歌」です。
この歌ご紹介するためにはそもそもの「ヤン坊ニン坊トン坊」のあらすじもご紹介した方が良いと思います。

昔インドにヤン坊ニン坊トン坊という白ザルがお父さん、お母さんと一緒に住んでいましたが、お母さんを残しお父さんと3匹兄弟が中国の北の端に連れてこられてしまいました。
そしてお父さんがまず単身お母さんのもとに帰るべく中国を出発し、無事にインドに帰れた時点で子供たちに「道中の案内」も含めて「帰っておいで」との手紙を「ツバメのリルさん」に託したのでした。そしてそれを受け取った3匹の仲良し兄弟ザルはインドに向け出発するのですが、道中に様々な事件、困難が待ち受け、それを3匹が知恵を出したり様々な他の動物の助けを得ながら克服して、無事にお父さんお母さんのもとに帰る、というのがこの物語のあらすじです。

ツバメはそういった意味ではこの3匹のために手紙を運ぶだけでなく、ピンチの時に様々な情報も伝達する、3匹にとって味方としてかけがえのない存在になっている登場人物です。

ツバメさんの歌

それをご理解頂ければ、この「ツバメさんの歌」の歌詞もイメージが沸いてくると思います。
このメロディはツバメが登場する度にも使われたようであり、他の譜面にも扱われていました。明るくのびのびとした歌です。

歌詞
「つばめさん つばめさん
 いつ来るの いつ来るの
 ぼくは毎日 待ってるの
 父さんは 母さんに 会えたか
 どうか 心配だ
 つばめさん つばめさん
 手紙を届けて 下さいな
 ぼくは 毎日待ってるの」

ツバメさんの歌

トン坊の子守歌(復刻挑戦!)

前回「ヤン坊ニン坊トン坊」のテーマ音楽をお届け致しました。
今回は比較的人気の高い「トン坊の子守歌」をお届けします。
この曲は「トン坊が、自分が寝るときに誰も歌ってくれないので、自分で歌う子守歌」ということらしく、黒柳徹子さんの自著「トットチャンネル」にも書かれていました。
一昨年前に放映された「黒柳徹子のコドモノクニ」でもこの部分に触れて頂き、黒柳さんお気に入りの曲として「 トットが、とても気に入ったのは、小さいトン坊が、ねるとき、誰も歌ってくれないので、自分で自分を眠らせるための「子守歌」を歌うとこだった。 服部正先生の子守歌のメロディは、美しく、哀しく、優しかった。」 とのコメントをこの本に書いていただいておりました。
電子音楽ではなかなか「美しく、哀しく、優しい」という雰囲気が醸し出せないかもしれませんが、雰囲気だけでもお分かりいただければ幸いです。
(歌詞)
トン坊 トン坊 おやすみよ、 トン坊 早くおやすみよ
ニッコリ ニッコリ お月様、 風と駆けっこ 白い雲
おしくらまんじゅうの お星さま、 眠れば みんな お友達
「遊びましょうよ」と 待っている、 トン坊 トン坊 おやすみよ

トン坊の子守歌
トン坊の子守歌 冒頭部分

この曲はヤン坊ニン坊トン坊の第1回目の放送分の中の1曲ですが、この第1回目の最初のページに面白い部分を見つけました。

ヤン坊ニン坊トン坊第1回放送用譜面表紙

「ヤンボー、ニンボー、トンボー」と書いてある題字の上に鉛筆書きと思われる薄い文字で「(オーディション用)」と書かれています。
実は「トットチャンネル」で黒柳徹子さんが「ヤン坊ニン坊トン坊」のオーディションの様子を書いていますが、まさにその時のオーディションに使われたと思われる譜面なのです。従って、この譜面を黒柳さんはご覧になってお歌いになったのでは、と想像してしまいます。
65年前のドラマがこの譜面に隠されているようですね。

ヤン坊ニン坊トン坊の音楽復刻挑戦!

NHKの子供向けラジオ番組「ヤン坊ニン坊トン坊」が放送を開始したのが、今からちょうど65年前の1954年4月です。
いまだにこの番組の曲を覚えて頂いている方も少なくないように思われ、特にテーマ音楽の他、最近の「トットちゃん」テレビでの放送で「出発の歌」が取り上げられたりして耳に馴染んでいる方もいらっしゃると思います。
当館には放送された3年余りの間の放送用譜面が抜けている回数もいくつかありますが 相当数残っており、 服部正も毎週の締切りに合わせかなり大変な作業をしていた痕跡が如実に現れて居ります。
各回に様々なテーマがあり、それに準じた音楽を作っていました。当館に残っている譜面は以下の通りです。

これだけの曲の譜面が残っている以上、何らかの形で音源として復刻してみたい、という衝動にかられ、音楽ソフトで譜面の編成に合わせた電子音楽で復刻をトライしてみました。
かなり大変な作業なのですべてを網羅する事は難しく、また時間もかかるので地道に取り組んでいきたいと思います。(残念ながら「トットちゃん」で歌われた「出発の歌」がどこを探しても譜面が見つからず、恐らく上記の表で初期で抜けている第3回、第5回あたりで作られたのではと想定しております。)

服部正はこの飯澤匡氏との仕事がことのほか気に入っていたようで、最初の頃は出来上がった譜面にことごとくトレードマークの顔サインやちょっとしたスケッチをつけていました。
ただ時が進んでいくとともに締切りに追われ、こういった「遊び心」を追記する余裕もだんだん無くなっていきました。
しかしながら子供向けの音楽という位置付けは徹底して追求しており、「聞きやすさ」「歌いやすさ」をどんなに忙しくても忘れずに作曲しておりました。1曲あたりの時間も比較的短いのでお子様にも覚えやすくなっています。今後少しずつ作品を音源として紹介して参ります。

1954年自筆譜

早速今回は有名なテーマ音楽を作成しましたのでお届けいたします。
残念ながら歌は電子音楽で再生しきれませんでしたので、カラオケのつもりでお聞きください。

【歌詞】(飯澤匡作詞)
ヤン坊ニン坊トン坊、ヤン坊ニン坊トン坊
しっかりもののヤン坊
あばれん坊のニン坊
かわいいチビ助トン坊
時々けんかもするけれど
僕たちやっぱり兄弟だ
ヤン坊ニン坊トン坊、ヤン坊ニン坊トン坊
しっかりもののヤン坊
あばれん坊のニン坊
かわいいチビ助トン坊
ヤン坊ニン坊トン坊、ヤン坊ニン坊トン坊
ヤン坊ニン坊トン坊、ヤン坊ニン坊トン坊

ヤン坊ニン坊トン坊テーマ音楽


作品紹介 マンドラのためのラプソディ

以前この欄で「関西学院マンドリンクラブ創部100周年」のお話をした時に「マンドラの為のラプソディ」という曲に触れました。
今回この曲をこの欄でご紹介し、内容は後日作品ページに転記致します。

服部正はマンドリンの振興に力を入れておりましたが、正直昭和時代は日本の音楽界ではクラシック系でマンドリンアンサンブルのプロ的集団はそれほど多くなく、どちらかというと大学のマンドリンクラブのレベルが全国的に高かったと言えます。
慶應義塾マンドリンクラブの指導を主に行っていた服部正は日本全体のレベルを上げていく事にも腐心し、全国大学マンドリン連盟やNHKが行っていた「ジュネス」という学生音楽活動振興にも大いに参画していました。
そんな中でも、この関西学院大学のマンドリンクラブとのお付き合いはかなり強く、それも同校ご出身の赤尾静造氏とのつながりが極めて濃い関係でした。
服部正自身の慶應とのつながりに共通する、赤尾氏と関学との関係に共感を得ていたようです。
そんな赤尾氏の関学マンクラ入部20周年の1960年にこの曲は作られました。

同大の1960年のイブニングコンサートにこの曲は取り上げられ、勿論マンドラソロは赤尾氏によるものでした。

関学マンクラの100年史に服部正の当日のコンサートに寄せた文章が掲載されていたので、一部記載致します。

「赤尾氏は関学ご卒業後も、現役部員と同じように絶えずクラブと行動を共にされ、常にクラブの運営その他に特別のご協力をなさっているようです。・・・日頃からこの赤尾氏のお心がけに敬意を表している私としては、何かこの20年目にお祝いの曲を差し上げたいと思いました。
-中略-
音楽的にも優れ、人間的にも優れた赤尾氏の為の曲としては、私の曲は少々貧しいかもしれません。しかし、真心をもって作曲しました。この曲は自由な形で作ったラプソディですが、日本人ならば必ず一つの共感をもって頂けるものがあると感じております。・・・」

幸い慶應マンドリンクラブOBで青葉マンドリン教室の師でもある肝付氏によるCDも出ておりますので、ご興味のある方はお聴き頂ければ幸いです。

青葉マンドリン教室 マンドリンCD/DVD販売

謹賀新年!

皆様、明けましておめでとうございます。
昨年は服部正没後10周年、生誕110年という事で各所で大変お世話になりました。

今年は生誕111年という面白い年回りとなります!

いよいよ平成も終わり新たな年号となりますが、服部正の活躍した昭和もさらに遠くなりつつあります。その一方で昭和レトロ回顧の雰囲気も再興している風潮も有り、有難い事にヒット作「ヤン坊ニン坊トン坊」も末永いファンの方が少なくないように思われます。
今年はもう一度過去の服部正が最も忙しかった昭和30年前後を見直し、音源も含め何かご提供できるものがあれば挑戦していきたいと思います。

引き続きよろしくお願い申し上げます。

本年1年間ありがとうございました

本年は服部正没後10周年、生誕110年という節目の年でした。
様々な所で服部正の作品を演奏して頂いたり、種々のお披露目をして頂きました。
ここに関係各位に心より感謝と御礼を申し上げたいと存じます。
誠にありがとうございました。

慶應関係の活動では三田会の演奏会で「迦楼羅面」「イタリアンファンタジー」の演奏、OBの演奏活動として肝付様による北海道、東京の一連の演奏会での服部正特集、プレットロでの人魚姫の公演等、服部正の代表作を取り上げて頂きました。

青葉マンドリン演奏会

また、テレビの様々な番組から頂いた写真提供や楽曲引用へのご協力、特に小林亜星先生が幾つかのトーク番組にご出演頂いた際に師としての服部正に対し過分なコメントを頂きましたこと、大変恐縮しております。

さらに本年後半には服部正の作品としては長く埋もれていた、又は存在すらはっきりしていなかった曲に光を当てて頂いた事も、今年の大きなエポックメーキングでした。(88年ぶり再演の斑蝶、NHK蔵書から発掘されたクラリネット五重奏曲など)

クラリネット五重奏曲

来年は元号も変り、様々な分野での新たな動きも活発になって参ります。明治、大正、昭和、平成の4世代を生きていた服部正としては一つの節目にあたるかもしれません。
この資料館としてはこれからも何らかの情報発信を少しずつでもしていきたいと思っております。
引き続き皆様のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

本年1年間ありがとうございました。
そして来年もよろしくお願い申し上げます。
皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

クラリネット五重奏曲が陽の目に!

先般服部正が「クラリネット五重奏曲を作曲した。」とのご報告をいたしました。
その曲の存在を発掘していただいた「ミッテンヴァルト社」の稲原様のご尽力で、このほど同曲のCD化が実現する事になり、先日東京の五反田文化センターにて収録が行われました。

五反田文化センターでの収録場面

今回はクラリネットに千葉交響楽団首席クラリネット奏者の伊藤めぐみ氏、そして実力派の若き弦楽器奏者メンバーにお集まりいただき、非常に丁寧に、そして情熱的に演奏をして頂きました。本曲の他、大栗裕氏、平井康三郎氏のクラリネット五重奏曲、菅原明朗氏のクラリネットソロ曲の4曲でのアルバムとなるそうです。

正直以前この曲のご紹介はしたものの「本当にこんなジャンルの音楽を服部正が作曲したのだろうか?」と疑心暗鬼に思っていましたが、今回実際の皆さんのくりなす音楽を聴き「服部正の音楽に間違いなさそうだ」と確信出来ました。
まず、曲想、ハーモニーが非常に分かりやすく、聴き心地の良い音楽であった事、そして何よりも第2楽章の「孔雀」でのクラリネットの甘く切ないメロディが、1950年代に作曲された「お姫様シリーズ(人魚姫、かぐや姫、シンデレラ等)」のヒロインが歌うアリアに非常に似ていた事。これを聴き、ひょっとしたら戦前の作品かと思っていた邪推が外れ、NHKの保存状況から類推していた1950年代前後という仮説が有力となりました。そして服部正が大事にしていた中音域のメロディもしっかり弦楽器奏者が朗々と演奏し、見事なアンサンブルを実現頂きました。

さらに驚いたのは、この五反田文化センターのホールの響きが素晴らしかった事。特に弦楽器の室内楽には非常にそりが合っているようで、そこにクラリネットの哀愁の音色が織りなす響きは格別なものがありました。

いずれこの録音が公開されると思われますので、その際にはまたご案内申し上げます。

今回の録音を実現頂いた稲原様、そして演奏していただいた皆さま、本当にありがとうございました。

演奏していただいたメンバーとともに