服部正は様々なジャンルの組織(会社、学校、自治体等)から依頼を受けて作曲を展開していましたが、皇室関係の作品もいくつか発見できました。
まず現天皇陛下がお生まれになった時の歌「皇太子殿下、おめでとう」よいう歌があります。
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![](https://i0.wp.com/tadashihattori.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/12/fa112cba34a4228db5559228beae8e29-700x889.jpg?resize=306%2C389)
天皇陛下は昭和8年にお生まれになったのですが、この譜面は保存状態を見てもその時代ではないようです。
歌詞は以下の通りです。
「皇太子殿下が生まれた日
わたしの村のサイレンが青いお空に鳴りました。
今また村のサイレンが青いお空に響きます。
(日本中のサイレンが今またお空に響きます。)
皇太子殿下おめでとう。」
(カッコの中はすぐ上段1行を訂正された文となっており、最終的にどちらが採用されたかは不明です。)
この曲がどのような背景でいつごろ作られたかは分かりませんが、恐らく放送局や何らかのイベントのために作られたのではと推測されます。
正直、譜面の状態から察するに「皇太子殿下の婚礼に対するお祝いの歌」と当初は思っておりましたが、歌詞を見てもっと遡る事が分かりました。
さらにもう一つ、「秩父宮妃殿下御歌」という曲も見つかりました。
![](https://i0.wp.com/tadashihattori.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/12/59bc47d4ceb09cf0737c2099e0b26d03-700x897.jpg?resize=314%2C403)
![](https://i0.wp.com/tadashihattori.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/12/f2cbe09965de6dfc691c6b4b88c7b691-700x900.jpg?resize=318%2C408)
この曲は譜面にも明記されているように昭和35年9月に作曲されました。
秩父宮妃殿下の読まれた歌に曲をつけたものであり、その歌は以下の通りでした。
あらき世の
風に堪へつつ
手ひとつに
子をそだてゆく
母に幸あれ
このような形で皇室との接点もわずかではありますが持っていたようです。
平成も間もなく終わり「昭和」がさらに過去の物となりつつありますが、そういった中でも大事に取っておきたいと感じております。