不思議な写真?!
遺された写真の多くは「演奏会」や各地方への演奏旅行のオフタイム、又は社歌等の関係企業幹部との交流会等の写真ですが、今回はちょっと変わった物をご紹介します。
もし服部正が存命だったら「頼むから出さないでくれ!」と言われそうな物もございます。
いきなり顔だけのアップの写真を見つけてびっくりしましたが、もう一つの写真はオーケストラの指揮台で立った姿の写真がありましたので、まず恐らく「広場のコンサート」での1カットです。
「広場のコンサート」は聴衆に分かりやすくクラシック音楽をお届けする事を目的としていたので、この装束は古典派モーツァルト、ハイドンの時代を意図したものと思われます。今でこそこんなことやるのはそれほど奇抜ではありませんでしたが、昭和30年頃はかなり聴衆にも受けたかもしれません。
こうやって一生懸命に「クラシック音楽」を普及させようとしていた一面が伺われます。
一方で女性に囲まれた写真も結構残されていました。
これは中央にでんと構えている女性が恐らく「戸倉ハル」先生であり、周囲の女性は多分戸倉ハル先生のお弟子さんです。
服部正はデビュー間もない頃にこの戸倉ハル先生のダンス音楽の先駆けとなる作品を作曲した事がきっかけで戸倉先生と長いお付き合いになることができました。いわば服部正にとっては音楽家として認められるようになった過程では「恩人中の恩人」ともいえる存在だったと思われます。
このように何となく女性に囲まれた写真でも、その関係が分かりやすい物は問題なくご説明できますが、さらに若かれし頃(恐らく20代後半頃)の古い写真の中に気になる物がありました。
服部正の風貌や女性の服装、写真自体の状態を見ても昭和10年代前後に写されたのではと思いますが、これはまさに「謎」の写真です。
まず周囲の女性はどういう関係か?なぜか服部正が手に持っているのは「ケーキ」なので誕生日会か?そうなるとこの女性たちの存在がますます気になります。昭和10年代でこのように簡単に写真が撮れるような環境だったかどうかも不明で、室内でもかなりきれいに撮れているのでそれなりのカメラマンが撮った可能性もあり、そういった背景含め事実は不明のままで終わりそうです。
最後に「謎」と言うよりは「面白い」写真を一つ。
これはどこかの動物園に行った時に写された物と思います。風貌を見ると昭和30年代前後と思われますが、何となくチンパンジーも愛想が良く写っておりますね。
ちなみに服部正は干支でいうと「さる年」なので、このような微笑ましい光景が撮れたのかもしれません(?!)。
(今回お出しした写真の個人情報配慮につきましては、もう60年以上前の写真と思われましたのでそのまま掲載させていただきました。悪しからずご容赦賜りたくお願い申し上げます。)